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リターンマッチはじまる。6月上旬の注目対局を格言で振り返る

 リターンマッチとなったヒューリック杯棋聖戦五番勝負が開幕。フルセットになったマイナビ女子オープンは西山朋佳女王がタイトルを死守しました。里見香奈女流王位は44期目のタイトルで女流史上最多記録を更新しました。

第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局

【第1図は▲4五桂まで】

 第1図は第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第1局(▲渡辺明名人△藤井聡太棋聖)。相掛かりから激しい展開になりましたが、と金が玉の近くに残っている分、後手が指せる局面です。△3三桂が「遊び駒は活用せよ」の絶好手でした。▲同桂成△同角▲4五桂は△6五桂と打って攻め合い勝ちです。先手からは▲8二飛の合駒請求があるので、桂をもう一枚手にすることは価値が高いのです。実戦は△3三桂に▲5三桂成から勝負をかけていきましたが届かず、最後は△4五桂を実現させて後手が勝ち切りました。

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撮影:常盤秀樹

第14期マイナビ女子オープン五番勝負第5局

【第2図は△6三銀まで】

 第2図は第14期マイナビ女子オープン五番勝負第5局(▲西山朋佳女王△伊藤沙恵女流三段)。竜を作って先手ペースですが、他の駒はまださばけていません。しかし▲6二歩が攻め駒を増やす「と金の遅早」でした。以下△4四歩▲3六銀△8六歩▲6一歩成△8七歩成▲5一と以下、と金で金駒をはがすことに成功して先手優勢に。西山女王はフルセットでの防衛です。

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撮影:常盤秀樹

第32期女流王位戦五番勝負第3局

【第3図は△1三桂まで】

 第3図は第32期女流王位戦五番勝負第3局(▲山根ことみ女流二段△里見香奈女流王位)。相振り飛車から早々に飛車交換となり戦いが始まりました。ここからじっと▲6八金△1五歩▲6九金と辛抱しました。「金は引く手に好手あり」と言いますが、一段金が安定して飛車の打ち込みを緩和することができました。最初の▲6八金に△7九飛なら▲7八銀で飛車を捕まえることができます。以下は熱戦が続きましたが、最後は里見女流王位が競り勝って防衛を果たしています。

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撮影:日本将棋連盟

第80期順位戦A級1回戦

【第4図は△6三歩まで】

 第4図は第80期順位戦A級1回戦(▲佐藤康光九段△羽生善治九段)。長年のライバル同士の一戦です。6四の銀取りですが、「終盤の駒は損得より速度」が求められる局面です。▲4六桂が桂は控えて打ての好打。次の▲3四桂が受けにくいので△6四歩と取りましたが、▲3四桂△3一玉▲4二桂成△同金に▲4六金と手厚く投入して先手ペースの終盤戦です。

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撮影:生姜

第80期順位戦B級1組2回戦

【第5図は△8四飛まで】

 第5図は第80期順位戦B級1組2回戦(▲稲葉陽八段△藤井聡太王位・棋聖)。激戦の終盤ですが、手番を握る先手がチャンスを迎えています。▲6五桂が「要の金を狙え」で素朴ながら厳しい攻めでした。△4三金なら▲5二銀、△5二金なら▲5三歩で追撃します。実戦は△5四角と勝負手を放ちましたが、▲5三桂成△同桂▲4一銀△2二玉▲3二金から寄せ切りました。藤井王位・棋聖の順位戦連勝記録は22でストップです。

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撮影:日本将棋連盟

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