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将棋の上達法
初心者向け上達法
将棋を始めたばかり・全く勝てないという方はぜひご覧ください。
順番に読んでいけば、上達の参考になると思います。
初級者向け上達法
初心者向けよりもワンランク上の内容です。
繰り返し読んでいき上達を目指しましょう。
なぜ勝てないの?
※画像は朝日新聞デジタルより引用
ここからは将棋の上達法を解説していきます。
脱初心者を目指して頑張りましょう!
さて本題に戻ってタイトルにもあるように”なぜ勝てない”のか。
失礼な言い方になりますが、戦いを知らないからです。
たとえば戦国時代に大将や指揮官は作戦や兵法を知らないとまずいですよね。それと同じで、将棋も作戦や戦法を知らないと勝負になりません。
つまり、戦法を覚えればいいだけなのです!
戦法と囲い
まずは「戦法」と「囲い」について説明します。
上図は実戦の様子(自陣側)です。
初心者がいきなり実戦を見ても・・・と思うかもしれませんが、実は決まった陣形を組んでいるだけなのです。
サッカーなどのスポーツでも陣形が重要になりますが、将棋でも陣形は非常に重要な要素になります。
将棋では陣形を組んで戦うことを「戦法」と言います。
また、”囲いとは王様を守る陣形のこと”です。
王様が倒されないよう陣形を組んで守ろうというのが囲いの趣旨です。
(正確には倒されたら負けではなく詰んだら負け)
戦法を覚える前にいくつか覚えることがあるので、次項で説明いたします。
居飛車と振り飛車
将棋では飛車の位置によって戦法が決まります。
まずは、将棋の二大戦法をご紹介します。
飛車が右側4列にいることを「居飛車」といい、飛車が左側5列にいることを「振り飛車」といいます。
つまり、飛車を左方向に動かさないでずっとそのままの位置で戦ったら居飛車となります。
逆に、左方向に転回して戦ったら振り飛車となります。
ちなみに居飛車戦法を中心に使う人を居飛車党、振り飛車戦法を中心に使う人を振り飛車党と言います。また、どちらも指す人をオールラウンダーと呼びます。
二大戦法はあくまで大雑把な戦法を示すためのもので、さらに細かく表すことができます。
向かい飛車(ムカイビシャ)
飛車が向かい合う形からこの名がついた。なお、飛車が向かい合ってなくても向かい飛車と呼ぶ。
三間飛車(サンゲンビシャ)
飛車が左から三間目にいることからこの名がついた。受け重視の玄人好みの戦法である。
四間飛車(シケンビシャ)
飛車が左から四間目にいることからこの名がついた。振り飛車でも一般的で指す人も多い戦法。
中飛車(ナカビシャ)
飛車が真ん中にいることからこの名がついた。
右四間飛車(ミギシケンビシャ)
飛車が右から数えて四間目にいることからこの名がついた。
袖飛車(ソデビシャ)
居飛車の脇(袖)にいることからこの名がついた。
居飛車(イビシャ)
飛車がそのままの位置にいることからこの名がついた。
初めての方は居飛車を指される方が多いですが、振り飛車にチャレンジしてみてもいいと思います。
次は囲いです。これも絶対必要です。
囲いについて
戦法の次は囲いです。何の為に囲いがあるのでしょうか。
前にも説明しましたが重要なのでもう一度、”囲いとは王様を守るための陣形”です。
上図のように、基本的に王様は飛車のいる位置とは逆の方向に囲います。
つまり、飛車が右側にいたら(居飛車なら)左側に王を持ってきます。上図も同様に、飛車が右にいて王を左側に囲っています。
逆に、飛車が左側にいたら(振り飛車なら)右側に王を持ってきます。
なぜこのようにするかというと、王様を主戦場から遠ざける目的があります。要するに王様をなるべく安全な場所に避難させる訳です。
代表的な囲い
それでは囲いを見てみましょう。代表的な囲いをいくつか紹介します。
矢倉囲い(やぐらかこい)
前項で出てきた囲いがそうです。「将棋の純門学」とも言われている居飛車でよく使われる丈夫な囲いです。
美濃囲い(みのかこい)
早く組めて発展もできる囲いです。主に振り飛車戦法で使われています。
居飛車穴熊(いびしゃあなぐま)
堅い囲いですが組むのに時間がかかります。また、若干自陣のバランスが悪いです。
囲いはまだまだほかにもたくさんあります。
ぜひ色々な戦法や囲いに挑戦して、自分に合った戦法や囲いを見つけてください。
駒の損得と価値
ここから初級編になります!
少し難易度が上がりますが、初心者でも分かるようにまとめました。繰り返し読んで、将棋の知識をしっかり身に付けましょう。
駒の価値
全ての駒には価値があり、強い駒ほど価値のある駒になります。
基本的に駒の価値は、大駒(飛・角)>小駒(金・銀・桂・香)>歩のような感じです。
状況によって駒の価値が変動することもありますが、基本的には飛車・角が最も価値の高い駒になります。
駒得・駒損
例えば、戦っていて銀と飛車を交換した場合、どちらが得をしたと思いますか?
これは当然大駒(飛・角)である飛車を取った方が得をしています。このように、弱い駒で強い駒を取ることを「駒得」と言います。
逆に、飛車を取られた方は損をしたことになります。これを、駒を損したので「駒損」と言います。
このように、弱い駒で強い駒をとった方が得をしたことになります。
また、大駒2枚と小駒2枚では小駒2枚のほうが価値があります。つまり、飛車と、銀・桂馬を交換した場合は後者の方が得になります。
同じ駒どうし交換したらどうでしょう?
先ほどは、弱い駒で強い駒をとった方が得と説明しました。しかし、一部例外があるので解説します。
お互いの銀を交換したとします。攻撃側の銀と、守備側の銀の交換です。
この場合どちらも損得ないように見えますが、基本的に攻撃側が得をしたことになり攻撃側が有利となります。
なぜならば、守備側の守備が一時的に薄くなるからです。
では、終盤ではどうでしょうか?
先程、飛車と銀の交換では飛車を得たほうが有利と解説しました。
しかし、終盤では玉を詰めるために金銀が必要になってきます。この場合飛車よりも金銀のほうが価値が高くなります。
基本的に終盤では金銀は非常に価値のある駒になります。
なので終盤では「飛車を失ったら・・・」と消極的にならずに、思い切って攻撃してみるのもありだと思います。
ここでのポイントは、序盤では飛車、角は攻めの要として非常に価値の高い駒、終盤では金、銀が玉を詰ませるために価値の高い駒となることです。もちろん終盤でも飛車・角の価値が低いわけではありませんので、闇雲に捨て駒にしていいわけではありません。
このように、状況によって駒の価値が変わる場合もあります。
手損
駒損に続いて手損を解説いたします。
手損とは名前の通り、手(ターン)を損することです。つまり、一手なり二手なり損すること。
例えば、後手番一手損角換わりという戦法があります。
この戦法では名前の通り後手から角を交換するので、実質的に後手が一手、手を損をしたことになります。
ちなみに、振り飛車も飛車を振る分一手損しているのでは?というような考え方をする方もいます。
これは、居飛車ならそのままの位置でいいものを、わざわざ一手かけて左方向へ展開しているので、一手損をしたのと同じでは?という考え方です。
実際はどうなんでしょうか。
急戦と持久戦
急戦とは、名前の通り急に戦いが始まること。
つまり、囲いを短縮して素早く攻めるすること。
急戦では、囲いを省略するため、舟囲いなどの簡単な囲いを用います。
持久戦は名前の通り、長期決戦。
矢倉囲いや、穴熊囲いなど、しっかりした囲いを用います。じっくりと戦うのが好きな人は長期決戦をお勧めします。
ポイントは、囲いを使い分けること。
持久戦にするつもりなのに、すぐ崩れるもろい囲いを使うのはNGだし、逆に速攻なのにゆっくり囲いを組んでいては速攻になりませんよね。
ここは割と簡単だと思いますが、この先で重要になります。
最強の囲い
最強の囲いってなんでしょうか?
堅さが自慢の穴熊囲い?
将棋の純文学矢倉囲い?
発展できる美濃囲い?
いったい何なんでしょうか?
実は最強の囲いなんて存在しないのです!
本当に強い囲いはその時によって変わるし、自分の使い慣れた囲いが強いのです!
どの囲いにも弱点があります。その弱点をカバーしながら自分の戦いをすればよいのです。
だから、"堅い囲い=最強の囲い"とは一概には言えません。
自分にあった戦法や囲いを見つけてみると面白いかもしれませんね。
でもその前に、囲いの弱点について説明させていただきます。
囲いの弱点
囲いとは何だったか覚えていますか?
初心者編でくどいように説明しましたが、”囲いとは王様を守るための陣形”です。
しかし、その囲いにも弱点はあります。
上図は美濃囲いです。
美濃囲いの弱点は?
美濃囲いは玉の左側に金銀がありしっかり守られていますが、玉頭(玉の上)には歩しかおらず守備がとても薄いです。その為、高美濃や銀冠に発展することがよくあります。
美濃囲いは玉頭が弱いので、玉頭を攻めれば崩しやすくなります。このように手薄なところから囲いを崩していきます。
続いて矢倉囲いです。
矢倉囲いの弱点は下段からの攻撃。狙いは7八の金です。
なぜここが急所なのかというと、7八に移動できる駒が玉しかいないため、ピンポイントで攻められると守りきれないからです。ここに龍や銀で攻めれば意外と簡単に崩すことができます。
これが急所を突く攻め方です。
どちらにせよ、急所や弱点を狙うことにより囲いを崩していきます。特に矢倉は堅いので正面からぶつかってもなかなか崩れません。
このように、囲いの弱点を見つけることが、囲い攻略の第一歩になります。
自分にあった戦法
最強の囲いはないと前々項で解説しました。
ということは、あまり難しく考えずに、自分の好きな戦法や囲いを使えばいいのです。
例えば、振り飛車が好きならば振り飛車をやればいい。囲いは、穴熊でも、美濃でも好きなものを使えばいい。
しかし、好きなものをやると言っても、戦法を使い分けられるように。これは、囲いにも相性があるし、弱点を突かれそうな場合にはそれに配慮しなければならないからである。
例えば、自分が居飛車で相手が振り飛車の場合。この場合は単純に、穴熊・左美濃に組むのが一般的。
このような感じに臨機応変に対応すること。これさえ守ればすぐに弱点を突かれることはないし、駒組みの時点でこちらが有利になれるからである。
自分にあった戦法を見つけるのは難しいかもしれません。
いろいろな戦法や囲いを使ってみて、自分にあった戦法や囲いを見つけてください。
それでは、皆様の健闘を祈ります!!