第38期王座戦一次予選、室岡VS羽生戦でも使われた対ヒネリ飛車「穴熊」の組み方

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第38期王座戦一次予選、室岡VS羽生戦でも使われた対ヒネリ飛車「穴熊」の組み方

今回のコラムも、ヒネリ飛車に対する囲いをご紹介します。これまで、対ヒネリ飛車のコラムを読まれてきた方にはびっくりされるでしょうが「穴熊」です。
穴熊といえば、玉を4二~3二(後手側から見て)と移動し、3三に角を上がり移動させていきますね。
しかし、対ヒネリ飛車の場合はまず金が3二に上がるので、4二~3二という玉の移動ができません。また、3一の銀を動かさなければならないので、どうやって玉を移動させるのか見当もつかないと思われます。
しょうがないから4二~3一~2二と、玉を4一~3一~2二と移動させるため、前回までのコラムで見てきたような「カタ囲い」から銀を二手損覚悟で動かすのかと考えられる方もおられると思います。では、どういう手順で組むのかを見ていきましょう。
囲いの特徴:第1図をご覧ください。

【第1図は△2二銀まで】

平成元年8月31日、第38期王座戦一次予選、▲室岡克彦五段ー△羽生善治五段戦(肩書は当時)です。さて、クイズです。羽生九段は第1図に至るまで、どう玉を1一まで動かしてきたでしょうか? ヒントは4四に角がいるところがミソです。
おわかりになりましたでしょうか? では、実戦の手順をたどって正解を見ていきましょう。

【第2図は▲7五歩まで】

第2図から、△4四角▲7六飛△6二銀▲4八玉△6四歩▲8五歩△6三銀▲6八銀△3三玉▲3八銀△2二玉▲6六歩△5四歩▲9七角△5二金▲3九玉△9四歩▲6七銀△5五歩▲6八金△4二金右▲5八金寄△1二香▲2八玉△1一玉▲4六歩△2二銀(第1図・再掲)と進みました。

【再掲第1図は△2二銀まで】

正解は3三~2二~1一でした。3三に玉を上がる手に、おどろかれたことと思います。自ら玉を露出させるように見えますから。しかし、2二へ引いてみると、これだけでもしっかりした形ですので、次に一手指すだけで安定します。
第1図まで進めば、非常に堅固な穴熊ですし、2筋に歩を使われる攻めをあまり気にしなくてよくなります。陣形を比較してみると、玉頭に歩のない先手陣はとても薄く感じないでしょうか? こうなれば、後は自陣を顧みずにガンガン攻めていくことができますね。
それでは、いつも通り先手側の駒だけを配置して(今回も実際は後手番ですが、見やすいように先手側の配置で進行させています)、囲いに組むまでの手順を見ていきましょう。
囲いを組むまでの手順:初手から、▲2六歩、▲2五歩、▲7八金、(△8六歩▲同歩△同飛▲8七歩)▲3八銀、▲9六歩、▲4六歩、▲4七銀(第3図)。

【第3図は▲4七銀まで】

ここまではあまり変わりのない手順ですね。9筋(実際は後手なので1筋)は早めに突かれたら受けるようにして、こちらからは突かなくても構いません。
第3図から、▲6八玉、▲7六歩、▲6六角、▲7七玉(第4図)。

【第4図は▲7七玉まで】

▲6六角と飛び出したとき、相手はどう囲ってくるのだろう? と思うかもしれません。そして、▲7七玉と上がったときはきっとびっくりするでしょう。第4図から、▲8八玉、▲9八香、▲9九玉、▲8八銀(第5図)。

【第5図は▲8八銀まで】

ひとまず、ハッチを閉めた第5図を完成形としておきましょう。ここまで囲えれば金銀二枚でも十分に堅いですから。次回は穴熊に組む際の注意点と発展形を見ていきましょう。

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