「優勝できたのはGLAYのおかげ」室田伊緒女流二段を支えてきたものと今後の挑戦【女流棋士とデザート】

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「優勝できたのはGLAYのおかげ」室田伊緒女流二段を支えてきたものと今後の挑戦【女流棋士とデザート】

ローソンのデザートを食べながら、和やかな雰囲気で女流棋士にお話を聞くこのシリーズ。スペインとフランスにまたがるバスク地方のチーズケーキを参考にしたバスク風チーズケーキ「BASCHEE(バスチー)」を、室田伊緒女流二段に食べていただきながらのインタビューです。中学時代に全国大会優勝に導いてくれた「勝負曲」や、同門である藤井聡太七段とのエピソード、そして30代の抱負などをお話してくださいましたよ。

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「ワンホールを1人で完食! 室田女流二段が今ハマっているデザート

――今回は「BASCHEE(バスチー)」をご用意しているのですが、食べたことはありますか?

初めて食べます。最近チーズケーキにハマっているので、とても嬉しいです。

――何がきっかけでハマったんですか?

実は、もともとチーズケーキが苦手だったんですけど‥‥

――そうなんですか!

でも、食べてみたらすっごくおいしくて。ただの食べず嫌いでした(笑)。そこからハマってしまって、最近ではホールで買って1人で食べちゃうほど。3日間ぐらいでペロリと食べ終えますよ!

――ホールを1人で‥‥!(笑)では、バスチーもぜひ食べてみてください。

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いただきます。わっ、すごいなめらかな食感でおいしいです! たくさん食べたくなりますね。

――甘いものは、普段どういう時に食べますか?

対局前や対局中に食べます。普段は食べ過ぎないように我慢しているのですが、その期間は自分を甘やかしていいことにして、好きなだけ食べますね。

――対局後のご褒美として食べたりはしないですか?

そういう時もありますが、対局後はどちらかというとお酒を飲みに行くことが多いですかね。お酒も好きなので‥‥(笑)。

――お酒、強いんですか?

いえ、強くはないんですけどね。お酒強そうと思われることが多いのか、「強くない」と言うと「嘘でしょ?」と言われちゃうんですけど(笑)。対局後は女流棋士仲間と飲みに行くのが楽しみです!

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将棋大会で優勝に導いてくれた"勝負曲"とは

――休日は、どんなことをされていますか?

ここ2年ぐらいは、ピアノとボーカルのレッスンにそれぞれ月1回通っています。普段将棋を指している時の頭の使い方とはまったく違うので、リフレッシュにもなりますね。

――ピアノやボーカルのレッスンに通い始めたきっかけは何だったんでしょう。

ボーカルを選んだきっかけは、もともとカラオケが好きで「うまく歌えたら楽しいだろうな」と思ったからです。研究会でも「カラオケ研」というのがあって、古森悠太四段と西田拓也四段と、奨励会員の子と私の4人で将棋を3局ほど指した後にカラオケに行くんです。3人とも歌がうまいので、私もうまく歌えたらいいな、と思いました。

ピアノは小学生の頃にも習っていましたが「ピアノが弾けます」と胸を張って言えるレベルではなかったので、もう一度挑戦してみようと思いました。ただ、2年間も通っているのに、1曲も完成できてないんですけどね(笑)。

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――ピアノでは何の曲を練習しているんですか?

GLAYの『HOWEVER』です。中学2年生の時からGLAYのファンで、好きな曲を弾いてみたいなと思って。GLAYの曲にはいつも励まされていて、例えば中学3年生の時のアマチュア将棋全国大会では、当時お気に入りだった曲が対局中に頭の中でエンドレスリピートしていたおかげで、ノリノリで指せて優勝できました。

――その全国大会の時に頭の中に流れていた曲は、何だったんでしょう。

GLAYの『BUGS IN MY HEAD』です。アルバム曲なので知らない人も多いかもしれませんが、アップテンポなのでお気に入りの曲です。当時は優勝できるなんて思っていなかったのですが、頭の中で流れる『BUGS IN MY HEAD』のリズムに乗りながら楽しく指せたのが良かったのだと思います。

将棋を始めたきっかけは「ピカチュウの鉛筆」

――中学3年生の全国大会で優勝できたというお話もありましたが、将棋自体を始められたのは小学5年生の頃なんですよね。

はい。弟が将棋道場に通っていたので母と一緒に付き添いで来ていたのですが、最初は「一緒にやろう」と誘われても断っていました。将棋は難しそうなイメージでしたし、何より通っているのが男の子ばかりで‥‥。ただ、弟が始めてから3カ月後ぐらいに初心者の大会があって、参加したらピカチュウの鉛筆がもらえると聞き「じゃあ、やってみようかな?」と(笑)。

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――ピカチュウの鉛筆に釣られたんですね(笑)。将棋のルールは知っていたんですか?

スーパーファミコンのゲームで指したことがあって、動かし方だけは覚えていました。そこで勝つことができて、ピカチュウの鉛筆もゲットしたので「将棋って楽しい」と思うようになり、私も弟と一緒に道場に通うようになりました。

――将棋を始めてから今までで、一番苦しかった時期はいつでしたか?

中学3年生の夏の中学選抜大会です。先ほどGLAYの曲を聴きながらノリノリで指して優勝した大会は中学3年の春に開催されたもので、年齢に関係なく大人の女性も参加する大会だったのですが、「そこで優勝できたのだから中学生の部でも優勝しなければ」とプレッシャーを感じていました。大会前の1週間は寝られない日が続いたほど。

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――そして、夏の大会の結果は‥‥?

無事、優勝することができました。寝不足で体調も良くなかったので、決勝で勝てた時はすごくホッとしましたね。

――寝られない日が続くほどのプレッシャーを、どのように乗り越えたのでしょうか。

そんなにプレッシャーを感じたのは初めてだったので、どう気持ちを整理していいかもわからず、眠れない夜は将棋の本を読むことで心を落ち着けるしかありませんでした。大会当日も、とにかくがむしゃらに指した記憶しかありません。とにかく必死に戦い続けて、ようやく優勝をつかんだ感じです。

同門の藤井聡太七段に挑戦! 和気あいあい「新年の一門研」

――師匠との関係性についてもお聞きしたいのですが、師匠・杉本昌隆八段とは、どのような時に連絡をとりますか?

女流棋士になったばかりの頃は、対局の前に一緒に研究をしてもらったり、頻繁に連絡をしたりしていましたが、最近は何か相談事があるときだけ連絡しています。例えば、6月の女流棋士会総会で副会長に選任されたのですが、そのお話がきたときには一度師匠に相談しました。

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師匠はすごくお忙しい方なので、私に構っている時間はないはずなんですけど(笑)、いつも親身になってメールを返してくださり、最終的には「室田さんが好きなようにやってみよう」と背中を押してくださいます。直接お会いする機会はなかなかないですが、将棋会館でたまに見かけるのと、毎年お正月に「新年の一門研」が開かれて一門が10人くらい一同に会するので、そこでお会いするぐらいです。

――同門には藤井聡太七段もいらっしゃいますが、一門研ではどのようなことを?

師匠も交えて、一門のみんなで藤井七段に挑戦します! 藤井七段は、奨励会員の門下生との対局中は冗談を言いながら指したりしていますね(笑)。

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――これからの目標についてもお伺いしたいのですが、目指している女流棋士像はありますか?

清水女流六段に憧れています。ずっと活躍されていて、対局姿もかっこよくて‥‥。蛸島彰子女流六段も、71歳で引退されるまでずっと研究されていたとのことで、すごく尊敬しています。お二方のように長く活躍できる女流棋士になりたいです。

――室田女流二段は今年で30歳になられましたが、30代の抱負はありますか?

将棋により一層打ち込みたいのはもちろんですが、加えて女流棋士会副会長として、女流棋士全体のことを考えて行動したいと思っています。今までは自由にわがままに生きてきた分、30代は女流棋士会に恩返しをしたいです。それと、諸先輩方からは「30歳超えると体力が落ちるよ」と言われているので(笑)、体力の維持と体調管理は気をつけたいです。

――「体力をつける」ではなくて「維持」なんですね(笑)。

体力をつけるのは、運動も好きじゃないですし難しいので‥‥(笑)、とりあえず維持したいですね。

――将棋以外の部分で、30代で挑戦してみたいことはありますか?

乗馬をやってみたいですね。30歳になる前にTwitterで「20代のうちにやっておいた方がいいことありますか?」と質問をしたら「乗馬」と「人間ドック」という声が多かったので‥‥。ちょっとまだ、2つとも実践できてないので、30代前半にはやってみたいなと思います(笑)。

――ちなみに、ピアノやボーカルのレッスンに通っておられるとのことなので、30代はどこかで披露してみるとか、いかがでしょう?

いえ、ピアノとボーカルは趣味として、アマチュア5級ぐらいでとどめておこうと思います(笑)。

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まとめ

1人でホールのチーズケーキを完食してしまうと言うだけあって、バスチーもペロリと完食してくださった室田女流二段。「このインタビューシリーズ過去最速のスピードでの完食でした」と伝えたところ、「みんなもっとゆっくり食べるのか‥‥、しまった!」とお茶目な笑顔を見せてくれました。そして、「BASCHEE(バスチー)」を差し入れてくれたローソンクルーのあきこちゃんには、素敵なメッセージをいただきましたよ。

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取材協力室田伊緒女流二段

1989年5月24日生まれ。愛知県春日井市出身。杉本昌隆八段門下。2005年10月1日、女流2級。2014年9月10日、女流二段に昇段。

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