急戦を避けるなら...。王位戦菅井VS豊島、順位戦北浜VS斎藤戦でも使われた「中飛車角筋不突き左美濃」とは?

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急戦を避けるなら...。王位戦菅井VS豊島、順位戦北浜VS斎藤戦でも使われた「中飛車角筋不突き左美濃」とは?

今回で囲いの組み方のコラムは、117回目となりました。第1回のコラム執筆時では、「50回くらいかなぁ?」と思っておりましたが、どんな囲いがあるかを考えていくと、思っていた以上にさまざまなものがあり、100回を超える長期連載となりました。それも今回で、平手における囲いは、ひとまず一区切りを迎えます。

では、最後となる囲いですが、「対中飛車角道不突き左美濃」です。どのような囲いなのか? そちらを見ていきましょう。
囲いの特徴:第1図をご覧ください。

【第1図は△3一玉まで】

平成30年8月1、2日、第59期王位戦七番勝負第3局、▲菅井竜也王位ー△豊島将之棋聖戦(肩書は当時)です。この囲い方も以前は指されておらず、エルモ囲いのように、近年現れたものです。2二の角が壁になって入城できない状況ですが、角道を開けていないため、▲5四歩と突かれても角がぶつからず、いきなり激しい戦いになりにくいというメリットがあります。 第1図からは、▲2八玉△1四歩▲1六歩△4四歩▲5四歩△同歩▲同飛△4三金▲5九飛△3四歩(第2図)と進みました。

【第2図は△3四歩まで】

結局、豊島竜王名人は角道を開けましたが、後回しにすることにより、激しい変化を避けています。また、第3図をご覧ください。

【第3図は△1三角まで】

平成29年3月8日、第75期順位戦B級2組、▲北浜健介八段ー△斎藤慎太郎六段戦(肩書は当時)です。なんと斎藤七段は3筋を突かず、1筋に角を上がりました。▲1六歩から角頭を狙われるのが気になるでしょうが、それは穴熊の玉頭から攻めかかることにもなるので、先手としてもやりにくいところです。こうして2二の地点を開けて入城します。そして、1三に角を上がることで遠く7九まで利きが通り、先手の6九にいる金を釘づけにしているところも見逃せません。

また、△7三桂~△6五桂と桂を活用したときに、5七にも角の利きがあるので、その攻めの威力も上がっていますよね。角頭が狙われそうで、以前なら考えられなかった形ですが、近年ではよい形という認識に変わりつつあります。それでは、いつも通り先手の駒だけを配置して、組むまでの手順を見ていきましょう。

囲いを組むまでの手順:初手から▲2六歩、▲2五歩、▲4八銀、▲6八玉、▲3六歩、▲3七銀、▲4六銀(第4図)。

【第4図は▲4六銀まで】

角道を開けず、超速のように右銀を4六まで繰り出していきます。第4図から、▲7八銀、▲7九玉、▲5八金右(第5図)。

【第5図は▲5八金右まで】

▲7八銀から7九に玉を潜り、右金を5八に上がります。さて、第5図はまだ囲いの途中ですが、ここから▲6六歩~▲6七金~▲7六歩~▲7七角~▲8八玉とする順と、▲9六歩~▲9七角~▲8八玉と端角にする組み方に分かれますので、本コラムでは、第5図を一区切りの形としておきます。次回は組む際の注意点と発展形を見ていきましょう。

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