相掛かり
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10手目△2三歩まで
概要
相掛かり戦法は将棋の戦法のひとつで、お互いの飛車先の歩を付き合い戦う積極的な戦法。英語名称はDouble wing Attack。
お互いに角道を開けないまま、飛車先の歩を伸ばしていき、まず先手が歩を交換する。その後▲2六飛と引いて後手の歩交換を阻むか、▲2八飛と深く引く。ここから飛車を左翼に展開するひねり飛車(▲2六飛型の場合)や、右銀を活用しての棒銀、もしくは腰掛け銀などのさまざまな変化があり、先手、後手ともに手が広く構想力が問われる。互いの持ち歩を生かした急戦から、囲い合う持久戦まで多様である。
▲2六飛型(浮き飛車)
飛車の横利きによって後手の歩交換を阻む。
以下▲3六歩 - ▲3七銀として右銀を繰り出す中原流相掛かり、▲3六歩 - ▲3七桂から速攻をかける▲3七桂戦法、△3四歩を突いたときに▲3六飛とまわり、さらに左翼に飛車を転換し石田流本組から強襲するひねり飛車(縦歩取り)、腰掛け銀、2筋に再度歩を打ち付けて端攻めと△6四歩を狙う超急戦塚田スペシャルなどがある。
いずれにしろ先手が角道を開けた際に後手には飛車先を交換する機会が与えられ、後手も飛車を△8四飛または△8二飛と引く選択肢があるが、多くの場合防御力を重視し△8二飛と引き飛車に構える。
▲2八飛型(引き飛車)
▲2六飛に比べると飛車の安定性はあるものの、早い段階で後手に歩交換を与えてしまう。しかし飛車の安定性を生かした棒銀などの戦法があり、先手の勝率が高く、現在では▲2六飛型よりも主流となっている。▲3八銀 - ▲2七銀 - ▲3六銀 - ▲4五銀といった棒銀模様から後手の駒組を牽制し、腰掛け銀に戻すことが多い。対する後手は先手の棒銀からの速攻を飛車の横利きで受けるため、△8四飛と浮き飛車に構えることが多い。
相掛かりの諸戦法
塚田スペシャル
塚田泰明が考案した超急戦。塚田はこの戦法によって公式戦22連勝を遂げた。
ひねり飛車(縦歩取り)
相掛かりから飛車を左翼へ振る戦法。升田幸三らが定石を整備した。
相掛かり腰掛銀
相掛かりにおける腰掛け銀。
相掛かり棒銀
飛車先の歩を交換してから開始する棒銀。
鎖鎌銀
腰掛け銀模様から▲5六銀ではなく▲3六銀と出る。
中原飛車
中原囲いに組み、▲5六飛と中央に飛車を振る。
中原流相掛かり
▲3八銀型で▲3五歩と仕掛け、歩を突き捨ててから▲3七銀~▲4六銀と進出する。
UFO銀
▲2八飛型で▲2七銀~▲3六銀と出る。
囲い
先手は中住まいが主流で、中原流相掛かりとの相性がよい。腰掛け銀には▲6八玉型(△4二玉型)も主流で、中原流相掛かりの後手もこの形が多い。機をみて▲6八玉(△4二玉)〜▲6六角(△4四角)〜▲7七玉(△3三玉)〜▲8八玉(△3三玉)と堅くする場合もある。腰掛け銀に5筋の歩を突いて対抗する場合は▲6九玉(△4一玉)が多いが、銀が壁になっているので、カニ囲いにするなどして解消し、矢倉に発展する場合もある。持久戦では後手は銀冠を用いることも多い。また中原囲いも古くからある。飛車先を交換しており、角がにらみあっているために、持久戦になることは少なく中住まい対△4二玉型のまま戦いになることが多い。