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竜王戦と名人戦の違いとは?挑戦者の決まり方・歴史・持ち時間を比較
将棋のタイトル戦の中でも、特によく名前を聞くのが「竜王戦」と「名人戦」です。
どちらも将棋界を代表するタイトル戦ですが、挑戦者の決まり方や棋戦の仕組み、歴史、持ち時間には大きな違いがあります。
この記事では、竜王戦と名人戦の違いを初心者向けに比較します。八大タイトル全体について知りたい方は、将棋のタイトル一覧もあわせて確認してください。
目次
竜王戦と名人戦の違いを一覧で比較
| 項目 | 竜王戦 | 名人戦 |
|---|---|---|
| タイトル | 竜王 | 名人 |
| 挑戦者の決め方 | ランキング戦+決勝トーナメント | A級順位戦 |
| 予選の特徴 | 1組~6組に分かれたトーナメント | C級2組~A級までの順位戦 |
| タイトル戦 | 七番勝負 | 七番勝負 |
| タイトル戦の持ち時間 | 各8時間 | 各9時間 |
| 主な開催時期 | 秋~冬 | 春~初夏 |
| 歴史 | 第1期は1988年 | 名人の称号は江戸時代までさかのぼる |
最も大きな違いは、タイトル挑戦者を決めるまでの仕組みです。
竜王戦と名人戦はどちらも特別なタイトル
プロ将棋には、竜王・名人・叡王・王位・王座・棋聖・棋王・王将の8つのタイトルがあります。
その中でも竜王と名人は、独自のランキング制度を持つタイトルです。日本将棋連盟も、竜王戦と順位戦(名人戦の予選)について、それぞれ成績によって昇級・降級があるランキング制度として説明しています。
ただし、竜王と名人の違いを単純な「どちらの棋士が強いか」という上下関係で考えるものではありません。それぞれ挑戦者決定までの仕組みが大きく異なることがポイントです。
最大の違いは挑戦者の決まり方
竜王戦はランキング戦と決勝トーナメント
竜王戦では、参加棋士を1組から6組までのランキング戦に分けてトーナメントを行います。
各組の上位者が決勝トーナメントへ進み、そこで勝ち抜いた棋士が竜王への挑戦権を獲得します。
現役棋士全員に加え、女流棋士、奨励会員、アマチュアの選抜枠も参加します。そのため、所属する組が低くても、その期に勝ち続ければ竜王への挑戦を目指せる仕組みになっています。
また、ランキング戦には昇級・降級があり、タイトル挑戦とは別に「何組に所属しているか」も棋士の成績を示す要素のひとつです。
名人戦はA級順位戦のトップが挑戦する
名人戦の挑戦者を決めるのが順位戦です。
順位戦は、C級2組・C級1組・B級2組・B級1組・A級というクラスに分かれています。その最高クラスであるA級順位戦で最上位の成績を収めた棋士が、名人への挑戦権を獲得します。
つまり、名人に挑戦するためには、まず順位戦でA級まで上がり、そのA級でもトップになる必要があります。
竜王戦が「その期のトーナメントを勝ち上がる」色合いが強いのに対し、名人戦は順位戦を何期にもわたって勝ち上がっていく積み重ねが大きな特徴です。
竜王戦と順位戦では昇級の意味も違う
竜王戦にも順位戦にもクラスがありますが、仕組みは同じではありません。
| 比較 | 竜王戦 | 順位戦 |
|---|---|---|
| クラス | 1組~6組 | A級~C級2組 |
| 基本形式 | トーナメント | リーグ戦 |
| 最高クラス | 1組 | A級 |
| タイトル挑戦 | 各組上位者が決勝トーナメントへ進出 | A級最上位者が名人へ挑戦 |
竜王戦では6組の棋士でも決勝トーナメントを勝ち抜けば、その期に竜王へ挑戦する可能性があります。
一方、名人戦ではA級順位戦に所属していなければ、その期に名人へ挑戦することはできません。この違いが、2つの棋戦の性格を大きく分けています。
タイトル戦はどちらも七番勝負
挑戦者の決め方は異なりますが、タイトル保持者と挑戦者による番勝負は、竜王戦も名人戦も七番勝負です。
先に4勝した棋士がタイトルを獲得します。
また、どちらも1局を2日間かけて指す長時間の対局です。1日目の終了時には、対局を翌日に持ち越すために「封じ手」が行われます。
持ち時間は名人戦の方が長い
タイトル戦の持ち時間にも違いがあります。
- 竜王戦:各8時間
- 名人戦:各9時間
名人戦は各9時間で、非常に長い持ち時間が設定されています。どちらも2日制ですが、名人戦の方が1時間長く考えることができます。
開催される時期も異なる
例年、竜王戦七番勝負は秋から冬にかけて、名人戦七番勝負は春から初夏にかけて行われます。
- 竜王戦:例年10月~12月ごろ
- 名人戦:例年4月~6月ごろ
年間のタイトル戦を追う場合、この開催時期を覚えておくと観戦しやすくなります。
歴史は名人の方がはるかに古い
竜王と名人では、歴史にも大きな違いがあります。
名人の称号の歴史は江戸時代までさかのぼります。日本将棋連盟の歴史資料では、1612年に初代大橋宗桂が一世名人となった歴史が紹介されています。
当初は現在のようなタイトル戦ではなく、世襲・終生名人制の時代もありました。その後、実力によって名人を争う現在につながる制度へ変化しています。
一方、現在の竜王戦は1988年に第1期が行われた、比較的新しいタイトル戦です。
歴史の長い名人と、現代の将棋界を代表する棋戦として創設された竜王。この成り立ちの違いも、2つのタイトルの個性になっています。
竜王戦と名人戦はどちらが挑戦しやすい?
単純に「どちらが簡単」とは言えません。
竜王戦では低い組からでもその期に勝ち続ければ挑戦できる可能性がありますが、複数のトーナメントを勝ち抜く必要があります。
名人戦ではA級に所属していなければ挑戦できず、A級へ到達するまでに複数期かかることがあります。そのうえでA級順位戦のトップになる必要があります。
つまり、竜王戦はトーナメントを勝ち抜く難しさ、名人戦は長期的に順位戦を勝ち上がる難しさがあると考えると分かりやすいでしょう。
よくある質問
竜王と名人はどちらが上?
竜王と名人は、どちらも将棋界を代表する特別なタイトルです。棋戦としての制度上の位置づけと、棋士個人の強さは別のものなので、「どちらを持っている棋士の方が強い」と単純に判断することはできません。
6組の棋士でも竜王に挑戦できる?
可能です。竜王戦では各組の上位者が決勝トーナメントへ進みます。6組からでも勝ち上がれば竜王への挑戦権を獲得する可能性があります。
B級1組の棋士は名人に挑戦できる?
その期には挑戦できません。名人への挑戦者はA級順位戦から決まるため、まずA級へ昇級する必要があります。
竜王戦と名人戦はどちらも2日制?
はい。タイトル戦の七番勝負は、竜王戦も名人戦も1局を2日間かけて行います。
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まとめ
竜王戦と名人戦は、どちらも将棋界を代表するタイトル戦ですが、挑戦者を決める仕組みが大きく異なります。
竜王戦は1組~6組のランキング戦から決勝トーナメントを勝ち抜く方式、名人戦は順位戦の最高クラスであるA級のトップが挑戦する方式です。
タイトル戦そのものはどちらも七番勝負・2日制ですが、持ち時間は竜王戦が各8時間、名人戦が各9時間です。
この違いを知っておくと、竜王戦や順位戦のニュースを見るときに「今どの段階を戦っているのか」が分かりやすくなります。
