将棋研究

将棋用語一覧|初心者向けに意味と読み方を解説する将棋用語集

将棋用語一覧 初心者向けの意味と読み方

将棋の解説には、「投了」「詰めろ」「手番」「駒得」など、普段はあまり使わない言葉が出てきます。意味が分かると、対局中に何が起きているのか、解説者がどこに注目しているのかを理解しやすくなります。

この用語集では、対局や観戦で見かける将棋用語を分野別にまとめました。似ている言葉は違いも説明しているので、気になった用語から確認してください。

駒の動かし方や対局の進め方を順番に覚えたい方は、将棋のルールをご覧ください。

勝敗と対局の終わりに関する用語

投了(とうりょう)

自分の負けを認めて対局を終えることです。玉が詰む前でも、勝つ見込みがないと判断したときに投了できます。

「ここで先手が投了しました」は、先手が負けを認めたという意味です。投了は反則ではなく、対局の終わり方の一つです。始めたばかりなら、無理に投了のタイミングを判断しようとせず、終盤まで指して詰みを覚えていきましょう。

王手(おうて)

相手の玉を、次の手で取れる状態にすることです。王手をかけられた側は、玉を逃がすなどして王手を解消する必要があります。

王手をかけたときに「王手」と声に出す義務はありません。日本将棋連盟のルールFAQでも、この点が説明されています。

詰み(つみ)

王手がかかっていて、どのように応じても玉を取られるのを防げない状態です。玉の逃げ場所がなくても、王手している駒を取ったり、間に駒を置いたりして助かるなら、まだ詰みではありません。

詰めろ(つめろ)

相手が適切に受けなければ、次の手から王手の連続で玉を詰ませられる状態です。「あと一手で詰む場合」だけを指す言葉ではありません。

王手が今の玉への直接の攻撃なのに対し、詰めろは次に詰ませる狙いです。受けて詰みを防げる場合があります。

必至・必死(ひっし)

詰めろがかかっていて、受けても詰みを防げない状態です。「必至」「必死」の両方の表記が使われます。

ただし、自分の玉に必至がかかっていても、先に相手の玉を王手の連続で詰ませられれば勝てます。「必至だから、その瞬間に対局が終わる」という意味ではありません。

頓死(とんし)

見落としなどによって、玉が思いがけず詰まされてしまうことです。有利に進めていても、詰みにつながる手を見逃せば頓死することがあります。

千日手(せんにちて)

盤上の駒の配置・双方の持ち駒・手番がすべて同じ局面が、4回現れることです。盤上の形だけが同じでも、持ち駒や手番が違えば同一局面にはなりません。

通常の千日手と、連続王手による千日手では扱いが異なります。連続王手で千日手にした場合は、王手を続けた側の反則負けです。指し直しなどの扱いは参加する大会やサービスの規定を確認してください。参考:日本将棋連盟のルールFAQ

入玉(にゅうぎょく)

自分の玉が相手側の陣地に入ることです。入玉した玉は捕まえにくくなる場合がありますが、入玉しただけで勝ちや引き分けになるわけではありません。

持将棋(じしょうぎ)

双方の玉が入玉するなどして、互いの玉を詰ませる見込みがなくなったときに用いられる、勝敗判定に関する言葉です。

駒を点数に換算する規定などがありますが、大会や対局条件によって扱いが異なります。「入玉したら必ず引き分け」とは覚えず、適用される規定を確認しましょう。参考:日本将棋連盟のルールFAQ

対局の進行と棋譜に関する用語

先手・後手(せんて・ごて)

平手の対局で、最初に指す側が先手、次に指す側が後手です。棋譜では先手を「▲」、後手を「△」で表すことがあります。

一方、「先手を取る」という表現は、最初に指す側になることではなく、相手に対応させて主導権を握る意味でも使われます。

手番(てばん)

次に指す順番のことです。「先手の手番」は先手が次の一手を指す番を意味します。同じ駒の配置でも、どちらの手番かによって局面の意味は変わります。

一手(いって)

盤上の駒を動かす、または持ち駒を打つ、1回の着手です。先手と後手が1回ずつ指すと、合計2手になります。

棋譜(きふ)

対局で指された手順を記録したものです。どの地点に、どの駒を動かしたかなどを残すため、対局を後から再現したり、指し手を振り返ったりできます。

序盤・中盤・終盤(じょばん・ちゅうばん・しゅうばん)

対局の進み具合を表す言葉です。序盤は駒組みを進める段階、中盤は本格的な攻めや駒の交換が進む段階、終盤は玉への攻めと受けが勝敗に直結する段階を指します。

「何手目から中盤」という共通の線引きはなく、局面に応じて使い分けます。

持ち時間(もちじかん)

対局者が考えるために使える時間です。持ち時間を使い切った後に秒読みに移るか、時間切れで負けになるかは対局条件によって異なります。

秒読み(びょうよみ)

一手を決めるまでの残り時間を秒単位で数えることです。「一手30秒」の秒読みでは、原則として毎回の着手を30秒以内に行います。

切れ負け(きれまけ)

持ち時間を使い切ると負けになる対局方式です。盤面で有利でも、時間がなくなれば負けになるため、指し手だけでなく時間の使い方も重要になります。

感想戦(かんそうせん)

対局後に指し手を振り返り、別の手の可能性や勝敗の分かれ目を検討することです。「なぜこの手を選んだのか」を相手と話し合うことで、自分では気づかなかった考え方を学べます。

駒と盤面に関する用語

持ち駒(もちごま)

相手から取って、自分の手元に置いている駒です。自分の手番に、ルールの範囲で盤上へ打つことができます。

打つ(うつ)

持ち駒を盤上の空いている升目に置くことです。すでに盤上にある駒を動かすこととは区別して使います。「銀を打つ」は、手元の銀を盤上に置くという意味です。

成る・不成(なる・ならず)

「成る」は、条件を満たした駒を裏返して成駒にすること。「不成」は、成ることができる場面で成らない選択をすることです。

成れる条件や、成らなければならない場合は、将棋のルールで詳しく解説しています。

利き(きき)

駒が動ける地点や、攻撃・守備の働きが及ぶ範囲を指す言葉です。「その地点には金が利いている」は、その金が動いて取ったり守ったりできる地点だという意味です。

筋・段(すじ・だん)

将棋盤の縦方向の列が「筋」、横方向の列が「段」です。「7六」は7筋・六段目の地点を表します。棋譜や解説では、筋と段を組み合わせて駒の位置を示します。

大駒・小駒(おおごま・こごま)

飛車と角を大駒、金・銀・桂馬・香車・歩を小駒と呼びます。玉は通常、この分類とは分けて扱います。「大駒を交換する」は、飛車や角を取り合うことを指します。

駒得・駒損(こまどく・こまぞん)

駒の取り合いによって、戦力の面で得をすることが駒得、損をすることが駒損です。枚数だけでなく、交換した駒の種類も関係します。

ただし、駒得していても玉が危険なら不利になることがあります。駒の損得と、局面全体の良し悪しは同じではありません。

駒の働き(こまのはたらき)

その駒が攻めや守りにどれだけ役立っているかを表します。同じ銀でも、相手の玉に迫っている銀と、戦いから離れた銀では働きが異なります。

遊び駒(あそびごま)

攻めにも守りにもあまり参加していない駒です。「遊び駒を活用する」は、使えていない駒を動かし、戦いに役立つようにするという意味です。

攻めと受けに関する用語

手筋(てすじ)

さまざまな局面で応用できる、効果的な指し方の型です。定跡が主に序盤の手順を扱うのに対し、手筋は序盤から終盤まで使われます。

両取り(りょうどり)

一手で相手の二つの駒を狙うことです。一方を逃がしても、もう一方を取れる場合があります。ただし、相手の反撃や受けによって成功しないこともあります。

王手飛車取り(おうてびしゃとり)

王手をかけながら、同時に相手の飛車を狙う両取りです。相手が王手に対応する間に飛車を取るのが狙いですが、王手した駒を取られる場合などは成立しません。

受け(うけ)

相手の攻めや狙いに対応して、自分の玉や駒を守ることです。駒を足して守るだけでなく、逃がす、相手の攻め駒を取るといった対応も受けに含まれます。

合駒(あいごま)

飛車・角・香車などの離れた駒による王手に対して、間に駒を置いて王手を防ぐことです。持ち駒を打つだけでなく、盤上の駒を動かして合駒する場合もあります。

手抜き(てぬき)

相手の狙いに直接対応せず、別の場所に手を指すことです。将棋では必ずしも悪い意味ではなく、受けるより厳しい攻めがあるときなどに使われます。ただし、王手を放置することはできません。

捨て駒(すてごま)

相手に取られることを承知で差し出す駒、またはその指し方です。駒を失う代わりに玉を誘い出す、守りを崩すなどの目的があります。単なる取り損なわれ待ちとは異なります。

寄せ(よせ)

相手の玉を追い込み、詰みや勝ちにつなげていく攻めです。王手だけを続けるとは限らず、逃げ道をふさいだり、守りの駒を外したりする手も含みます。

形勢(けいせい)

どちらが有利か、互角かといった局面全体の状況です。駒の損得だけでなく、玉の安全度、駒の働き、攻めの速さなどを合わせて判断します。

評価値(ひょうかち)

将棋ソフトが局面を評価して数値などで示したものです。数値の見方や表示の基準はソフトによって異なり、数値をそのまま勝率と考えることはできません。解析を深めると評価が変わる場合もあります。

戦法と囲いを理解するための用語

戦法(せんぽう)

駒の配置や攻め方についての、まとまった方針です。具体的な種類や指し方は、将棋の戦法一覧から確認できます。

定跡(じょうせき)

序盤の指し方として研究されてきた手順です。将棋では一般に「定跡」と書きます。相手の指し手や局面によって進め方が変わるため、手順だけでなく狙いも理解することが大切です。

居飛車・振り飛車(いびしゃ・ふりびしゃ)

飛車を主に初期位置側で使って戦うのが居飛車、飛車を中央や左側へ移して戦うのが振り飛車です。具体的な戦法の違いは、将棋の戦法一覧で紹介しています。

囲い(かこい)

玉を守るための駒の配置です。金や銀などを使って玉の周囲を固めます。各囲いの形や特徴は、将棋の囲い一覧をご覧ください。

急戦・持久戦(きゅうせん・じきゅうせん)

比較的早い段階から攻めを仕掛ける方針が急戦、駒組みや玉の守りを整えてから戦う方針が持久戦です。対局時間が短い・長いという意味ではありません。

似ている将棋用語の違い

用語区別するポイント
王手と詰み王手は玉への直接の攻撃。詰みはその王手を解消できない状態
詰めろと必至詰めろは次に詰ませる狙い。必至は受けてもその詰みを防げない状態
詰みと投了詰みは盤上の状態。投了は対局者が負けを認める意思表示
定跡と手筋定跡は主に序盤の研究された手順。手筋は各局面で応用する指し方の型
駒得と優勢駒得は戦力の損得。優勢は玉の安全度なども含む総合的な判断

用語が分かったら実際の指し方を確認しよう

用語は、一度にすべて暗記する必要はありません。対局や解説で知らない言葉が出てきたときに、意味を確認しながら覚えていきましょう。